いまの日本人学生と海外留学の実情
文部科学省が公表した日本学生支援機構の調査によると、2024年度の日本人学生の海外留学者数は9万1054人と、前年度比2.1%増にとどまりました。増加傾向は続いているものの、伸び率は大きく鈍化しています。背景にあるのが円安と現地物価の上昇。留学ジャーナルの試算では、アメリカでの1年間の留学費用は601万円から742万円に達すると報告されており、コロナ禍前の322万円から554万円と比べて負担が増えています。
こうした状況で注目されるのが、短期留学の増加です。留学期間が1カ月未満のプログラムは前年比5.7%増の6万301人となり、全体の6割以上を占めました。費用を分散しながら複数回渡航する、いわゆる「小さく始める」スタイルが定着しつつあります。
留学先として人気が高いのは、アメリカ、オーストラリア、韓国、カナダ、フィリピン。なかでもフィリピンは、マンツーマンレッスン中心の授業が受けられ、欧米と比べて費用が3分の1から2分の1程度で済むことから、社会人を含む幅広い層に選ばれています。
留学エージェントの基本と選び方
留学エージェントの多くは、学校側から紹介料を受け取る仕組みのため、利用者が手数料を負担せずに相談できるケースが一般的です。JAOS(一般社団法人海外留学協議会)など業界団体に加盟している会社は、一定の倫理基準を満たしているため、まず加盟状況を確認すると安心できます。
サービス内容の比較ポイント
| 比較項目 | 無料で相談できるエージェント | 有料で手厚いサポート型 | 自己手配 |
|---|
| 主な費用 | 相談無料、紹介料は学校側負担 | カウンセリング費や手数料あり | 入学手続きや渡航手配の手間 |
| 向いている人 | 初めての留学、手続きに不安がある人 | 進学先の選定やビザ対応を任せたい人 | 経験者、特定校への入学が決まっている人 |
| サポート内容 | 学校紹介、手続き代行、現地アフターケア | 進路相談、奨学金案内、書類作成支援 | すべて自己対応 |
| 注意点 | 特定校への誘導がないか確認が必要 | 契約内容と費用の妥当性をチェック | トラブル時の相談先が限られる |
複数のエージェントに相談して、担当カウンセラーとの相性を確かめるのが失敗を防ぐ近道です。留学雑誌や口コミサイトの評判だけで判断せず、実際に電話やオンライン面談で話を聞いてみましょう。
予算別・目的別の選び方
英語力を短期間で伸ばしたい人
フィリピンの語学学校は1カ月あたり30万円から48万円程度が総費用の目安で、セブ島より地方都市のバコロドを選ぶと月5万から6万円ほど抑えられます。1対1の授業が多く、日本人学生との接触が少ない学校を選ぶと、英語を話す時間を確保しやすくなります。現地の学校スタッフが常駐しているエージェントなら、出発後のトラブルにも素早く対応してくれます。
大学生・大学院生で学位取得を目指す人
カナダの1年制修士課程は総額で4万5000ドルから8万ドルが目安です。2026年の新制度では、1年制の修士を修了した場合に卒業後の就労ビザが3年間取得できるケースが増えており、留学と就労を組み合わせたプランが組みやすくなっています。エージェントには、現地の大学との提携実績や、卒業後のキャリア支援まで含めて相談するとよいでしょう。
社会人でワーキングホリデーを検討している人
オーストラリアやカナダはワーキングホリデーの人気先です。円安の影響で現地での生活費負担は増えていますが、現地でのアルバイト収入で費用の一部をまかなえる点は魅力です。エージェントの中には、現地の就労サポートや滞在先の紹介まで一貫して行う会社もあります。出発前のカウンセリングで、収入と支出の計画を具体的にシミュレーションしてもらいましょう。
費用を抑えるための実践ステップ
留学費用を抑えるには、いくつかの段階があります。
- 出発時期を柔軟にする。学期の切り替わりや現地の休暇時期を避けると、航空券や滞在費が安くなることがあります。
- 地方都市の語学学校を選ぶ。首都圏の都市部より物価が低く、同じクオリティの授業を抑えた費用で受けられます。
- 奨学金情報を早めに集める。「トビタテ!留学JAPAN」をはじめ、官民協働の奨学金制度では、月額12万円から16万円の給付や、アジア地域15万円、その他の地域25万円の準備金が支給されるプログラムがあります。エージェントに問い合わせれば、応募条件や申請時期を案内してもらえます。
- 留学保険と海外送金は比較する。長期滞在では保険加入が必須となるケースが多く、送金手数料も選び方次第で数千円単位で変わります。
- 現地で支払う費用と日本で事前に支払う費用を分けて把握する。語学学校の入学金や授業料、滞在費は日本で支払う分が多い一方、食費や交通費は現地通貨で必要になります。事前にリストアップしておくと、予期せぬ出費を防げます。
自分に合ったサービスを選ぶために
留学は、一度きりの大きな決断です。だからこそ、料金の安さだけでエージェントを選ぶのは避けたいところです。業界団体への加盟状況、担当者の経験、現地サポートの体制、契約内容の透明性を確認してから、申し込むことをおすすめします。
最初の一歩は、気になるエージェント2社から3社に無料相談を申し込むことから始めてみてください。相性のよい担当者に出会えれば、費用面の不安も、渡航後の心配も、ひとつずつ解消されていきます。まずは無料のカウンセリングで、あなたの留学プランを具体化してみましょう。