いま日本人の留学を取り巻く状況
日本学生支援機構の調査によると、2025年5月時点で日本に在籍する外国人留学生は約40.8万人と過去最高を更新しました。一方で、日本人の海外留学生数はコロナ禍以降、回復の途上にあります。パスポートの発行数は2024年に約382万冊まで回復し、若い世代を中心に海外への関心が再び高まりつつあります。
ただ、パスポート保有率は依然として約18%。5人に4人の日本人が「海外へ行ける状態」にないという現実もあります。「何から始めればいいか分からない」「費用や手続きが不安」といった理由から、最初の一歩を踏み出せずにいる人が少なくありません。
そんなときに頼りになるのが留学サービスです。アルクが実施した留学経験者への調査では、留学で最も大変だったこととして「ビザの申請や学校の入学準備」が約40.7%でトップに。書類の不備ひとつで渡航が遅れるリスクを考えると、専門家のサポートの価値は大きいと言えるでしょう。
留学サービスの種類と選び方
留学エージェントには「無料型」と「有料型」、そして「国内型」と「現地型」という大きく2つの軸があります。
無料型のエージェントは、留学者を紹介した学校から手数料を受け取る仕組みで成り立っています。カウンセリングや手続き代行を無料で受けられる一方、提携校以外への申し込みには対応できないケースがあります。有料型は利用者からサポート費を直接受け取るため、特定の学校に縛られず、より中立的な視点で学校を提案してもらいやすいのが特徴です。
| タイプ | 料金体系 | こんな人に向く | メリット | 注意点 |
|---|
| 無料型(国内) | 学校からの紹介料で成立 | 渡航先や目的がまだ漠然としている人 | 気軽に相談できる、手続き代行が無料 | 提携校以外の選択肢が限られる |
| 有料型(国内) | サポート費を利用者が負担 | 志望校が明確で中立な助言が欲しい人 | 選択肢が広い、情報の鮮度が高い | 費用がかかる、内容の見極めが必要 |
| 現地型 | 無料・有料が混在 | 渡航後のサポートを重視したい人 | 現地生活の相談やトラブル対応が手厚い | 国内とのやり取りに手間がかかることも |
失敗しないためのチェックポイント
エージェント選びでまず確認したいのが、JAOS(日本留学サービス機構)やJ-CROSSなどの認定を受けているかという点です。業界団体に加盟しているかどうかは、一定の品質基準を満たしているかを見極める目安になります。
次に、自分の目的や渡航先に特化したエージェントを選ぶこと。カナダ専門、オーストラリア専門、大学院留学専門など、得意分野を持つエージェントは現地の最新事情に詳しい傾向があります。料金体系の透明性も重要です。「無料」とうたっていても、実際にはどのような収益構造なのか、実質的な負担額はいくらになるのかを確認しましょう。
カウンセラーの質と担当者の継続性も見逃せません。担当者がコロコロ変わるようでは、安心して相談を続けられません。留学経験のあるカウンセラーがいるか、現地サポート体制が整っているかも、選ぶ際の重要な判断材料です。
留学計画を成功に導く実践的なステップ
留学を成功させる鍵は、しっかりとした計画と適切なサポートの確保にあります。以下のステップを参考に、準備を進めてみてください。
1. 目的と渡航先を明確にする
まずは「英語力を伸ばしたい」「海外で仕事をしたい」「学位を取りたい」といった目的をはっきりさせましょう。目的によって、語学留学なのか、大学院留学なのか、ワーキングホリデーなのか、選ぶプログラムが変わってきます。
2. 複数のエージェントに相談する
一つのエージェントだけの意見を聞くのではなく、2〜3社に相談するのがおすすめです。同じ留学希望でも、エージェントによって提案される学校やプランが異なることがあります。比較することで、より自分に合った選択肢が見えてきます。
3. 費用の全体像を把握する
留学にかかる費用は、渡航前の費用、学校関連の費用、現地での生活費用に大きく分けられます。例えばカナダへの半年留学では、航空券やビザ申請費などの渡航前費用に約27万円から、授業料などの学校費用に約76万円から、滞在費や食費などの生活費に約113万円からかかるという試算があります。
都市や滞在スタイル、学校によって金額は大きく変動します。予算を決める際は、見落としがちな教材費や交通費、娯楽費まで含めて考えることが大切です。エージェントに費用の内訳を明確にしてもらい、見積もりを比較しましょう。
4. 現地サポートの内容を確認する
渡航後に困ったことが起きたとき、頼れる窓口があるかどうかは大きな違いを生みます。住まいの手配、銀行口座の開設、現地での学校トラブルなど、現地サポート体制が充実しているか事前に確認しておきましょう。
5. 出発前の準備を計画的に進める
パスポートの取得、航空券の手配、海外旅行保険への加入、ビザの申請——これらは出発の3ヶ月前から計画的に進めるのが理想的です。ワーキングホリデーを考えている場合は年齢制限(多くの国で30歳まで)もあるため、早めの行動が肝心です。
留学経験者の声に学ぶ
実際に留学を経験した人たちの声は、計画づくりに大きなヒントを与えてくれます。ある大学生は「エージェントのカウンセラーに相談したことで、自分では見つけられなかった学校に出会えた」と話します。また、就職を機にカナダへの語学留学を決めた20代の会社員は、「現地サポートのおかげで、住まい探しでつまずきそうになったときも安心できた」と振り返ります。
調査によると、留学経験者の約35.8%がエージェントを利用しています。利用しなかった人の中には「情報収集や手続きで苦労した」と答えた人が多く、初めての留学ほど専門家のサポートが頼りになることがうかがえます。
一方で、エージェント任せにしすぎるのも考えものです。自分自身で情報を集める姿勢を持ちながら、プロの助言を活用する——このバランスが留学を成功に導くポイントです。留学の目的や予算、期間を自分の言葉で説明できるようにしておくと、より的確な提案を受けられるでしょう。
留学は人生の大きな転機になる経験です。最初の一歩を踏み出すための情報収集は、オンラインの留学サイトや各エージェントの公式ページで気軽に始められます。まずは一度、無料のカウンセリングを利用してみてはいかがでしょうか。自分の目的を話すうちに、進むべき道が少しずつ見えてくるはずです。