変わりゆく結婚式の風景
ここ数年、結婚式の形は大きく変化しました。リクルートの「ゼクシィ結婚トレンド調査」によれば、挙式・披露宴の平均招待人数はコロナ前の66人前後から50人前後にまで減少。招待客が30人以下の「少人数婚」を選ぶカップルは全体の3割を超えたという報告もあります。
きっかけのひとつは、やはりコロナ禍です。感染リスクを避けるために式を延期・中止した経験は、「そもそも結婚式は必要なのか」という問いを多くの人に投げかけました。そして一度「やらない選択」が認められると、費用や時間の合理性を理由にシンプルな形を選ぶ流れが定着したのです。
一方で、結婚式を完全に「やらない」カップルも増えています。婚姻届を出すだけで式は行わない「ナシ婚」は、今では十分に一般的な選択肢として認知されています。ただし、ナシ婚といっても何もしないわけではなく、写真だけ残す、家族で食事会をする、海外旅行を兼ねるなど、スタイルは実にさまざま。つまり「従来型の大規模披露宴から離脱する」という理解が実態に近いでしょう。
今選ばれている4つのスタイル
2026年現在、結婚式の主な選択肢を整理してみました。それぞれの特徴を比べてみましょう。
| スタイル | 目安の費用感 | 向いている人 | 魅力 | 注意点 |
|---|
| 従来型の挙式・披露宴 | ゲスト80名規模で280万円前後の事例が多い | 大人数で賑やかに祝いたい | 格式と華やかさ、両家の親族をまとめやすい | 準備の手間と負担が大きい |
| 少人数婚(マイクロウェディング) | 会費制なら自己負担は120万〜140万円前後が相場 | 大切な人だけとゆっくり過ごしたい | ゲスト一人ひとりと向き合える、予算を抑えやすい | 人数が少ない寂しさへの配慮が必要 |
| フォトウエディング | スタジオ撮影で15万〜25万円前後の事例が多い | 写真で記録を残したい、挙式はしない | 費用・準備の負担が軽く、衣装やロケーションを楽しめる | 当日の「式」としての体験は薄め |
| 海外(リゾート)挙式 | 沖縄のリゾート式場では挙式+衣装で8万円台から | 非日常のロケーションで挙げたい | 少人数・家族婚と相性が良く、旅を兼ねられる | 準備の遠隔対応や日程調整が必要 |
少人数婚という選択
特に人気を集めているのが、家族や親しい友人だけを招く少人数婚です。10〜20名程度の親族中心の「家族婚スタイル」と、友人も含めた20〜40名の「カジュアルパーティースタイル」の二つに大きく分かれます。
家族婚の魅力は、なんといってもゲストとしっかり向き合えること。席を回る必要もなく、思い出のムービーや一人ひとりへの手紙といった心のこもった演出が中心になります。実際に目黒で家族婚を挙げた30代の花嫁は、「都心でも小規模なら予算を抑えられ、ゲスト一人ひとりをしっかりおもてなしできた」と話します。
東京・目黒や白金台エリアには、貸切の一軒家型ゲストハウスが点在しています。アーフェリーク白金のように、パリのブティックホテルを思わせる空間を一日貸し切れる式場は、都心でありながら非日常感を味わえると人気です。
フォトウエディングの進化
式を挙げず、写真で「ふたりの日」を残すフォトウエディングも定番化しています。最近は東京駅や浅草、お台場など、街なかのロケーションを背景にした撮影が人気です。
東京のフォトウエディングスタジオでは、スタジオ1着+ロケーション1着で33万円前後、スタジオのみなら15万〜18万円程度のプランが一般的。有名ドレスブランドを扱うスタジオも増え、衣装選び自体が楽しみのひとつになっています。娘の誕生日フォトと同時にウェディングフォトを撮ったという30代の母親は、「高齢の両親への気遣いもありがたく、出来上がった写真も想像以上だった」と満足そうでした。
海外・リゾート挙式の復活
海外渡航の制限が緩和されてから、ハワイや沖縄でのリゾート挙式も再び盛り上がっています。沖縄ではコバルトブルーの海を望むチャペルが人気で、挙式と衣装をセットにした経済的なプランも登場。式を挙げずに済ませたいけれど、特別な場所で誓い合いたい、というカップルにちょうど良い選択肢です。
自分たちに合う形の見つけ方
ここからは、実際に結婚式をどう進めるか、具体的なステップをご紹介します。
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まずは「何を残したいか」を話し合う
写真・記憶・親への感謝・友人との時間。ふたりが結婚式に求めるものは案外バラバラです。まずはここをすり合わせましょう。お互いの実家の事情や、出席してほしい人のリストもこの段階で確認しておくとスムーズです。
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予算の上限を先に決める
新生活や住宅購入と両立できる金額を、先に決めておくのがおすすめです。会費制にすれば自己負担を抑えられますし、式場見学の際も「いくらまでなら出せるか」が明確だと、担当者との相談が捗ります。
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式場見学は2〜3件を目安に
少人数婚ならゲストハウス型、大人数ならホテル式場というように、会場タイプを絞ってから見学へ。ゼクシィやウエディングパークなどのランキングサイトには、実際のカップルによる口コミ評価が掲載されているので、参考にするのも手です。京都のゲストハウスでは「チャペルに自然光が入る」「宴会場から緑が見える」といった点が高評価につながっています。
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オンライン相談を活用する
遠方の式場でも、最近はオンライン相談に対応しているところがほとんど。来店不要で30分程度の相談から受けられるケースもあり、忙しいカップルにも便利です。
当日を心から楽しむために
結婚式でいちばん大切なのは、形式ではなく「ふたりらしさ」が表れているかどうかです。SNSで見栄えの良い式を目指すより、自分たちが本当にやりたいことを形にしたほうが、結果的にゲストの記憶にも長く残ります。
少人数婚だからこそできるインタビューリレーや匿名質問箱のような演出、フォトウエディングならではのロケーション選び、リゾート挙式ならではの滞在プラン。どんな形を選んでも、工夫次第で心に残る一日にできます。
費用面が心配なら、無理に大きな式にこだわる必要はありません。会費制のカジュアルなパーティーから、家族だけの温かい食事会まで、選択肢は広がっています。まずは気になる式場の見学やオンライン相談から始めてみてはいかがでしょうか。ふたりのペースで、納得できる形を見つけていってください。